「日本語学習と企業内研修」(SP) 第34期生 新潟へ研修旅行


DAAD奨学金プログラム「日本語学習と企業内研修」(通称SPプログラム)第34期生は11月30日から12月1日にかけて新潟県へ研修旅行に出かけました。日本の伝統と先端技術を実際に目の当たりにした参加者の研修旅行リポートを以下に紹介します。今回の研修旅行では、家族経営の伝統的な小さな工房から国際的に展開するハイテク企業までさまざまな会社を訪問しました。

研修旅行は11月30日(木)早朝、東京駅からスタートしました。日本の新幹線は時間どおり正確に走ることで有名ですが、定刻の8時24分に時間通りに出発して新潟県の燕三条駅に向かい、ここからはチャーターバスで移動しました。

最初の訪問先は「近藤製作所」でした。近藤製作所は100余年の歴史をもつ鍬専門の小さな会社です。代表の近藤氏が、様々な種類の鍬、それらの製作工程、作業における細部へのこだわりなどを説明してくださいました。驚いたのは、形の異なる鍬が数え切れないほどあったことです。近藤氏によれば、地域ごとに客の好みが異なるためだそうです。

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近藤製作所訪問後は蕎麦屋で昼食をとった後、伝統的なタンスの製造、修理を行う「浅野タンス」を訪問し、大いに驚かされることになりました。浅野タンスは伝統的なタンスやベッド、椅子などを、火にも水にも強くとても軽い桐で製作しています。タンスは手作業で作成されますが、日本の熟練した職人技で、私たちには信じられないほど緻密に作られることに感動しました。さらに驚かされたのは、タンスの見えないところにスパイ映画を思い出させるような「からくり」と呼ばれる仕掛けが施されていることでした。

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この日は五泉市の伝統的な温泉旅館に泊まり、多忙な一日の疲れを癒しました。夕食は、繊細でめずらしい料理が次々に運ばれ、どれも大変おいしく、大満足でした。

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二日目は最初に五泉市の絹織物製造会社、「横正機業場」を訪問し、今日もなお大半が手作業の細かな絹織物製作工程を説明していただきました。実際に原糸を機織機にかけるまでに必要な作業工程の多さに驚きました。

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続いて、江戸時代の豪農の屋敷を博物館にした「北方文化博物館」で昼食後、当時の暮らしを再現した館内を見学しました。

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最後の訪問先は、北方文化博物館とは対照的な「北越紀州製紙株式会社」の近代的な新潟工場で、スタッフの方が見学コースを案内してくださいました。北越紀州製紙株式会社は日本の製紙業界第5位の製紙会社で、紙の生産量は一日に9.000トンにものぼり、その工程の多さと規模、考え抜かれた物流システムに感心させられました。

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私達にさまざまな印象を残した研修も金曜午後に終わり、新潟駅で解散しました。

テキスト:Maximillan Rayß (SP34期生)

写真:Ingo Stieglitz(SP34期生)